なぜ人は痛みを感じるのか?

今回は、痛みの真相についてお話していきます!

実は近年、痛みの定義が見直されつつあるのです。その見直されている内容とは、特に慢性的な痛みに対して脳が関与しているということです。
このことについて、痛みの具体的な種類や特徴といったところから考えていきたいと思います!

まず、痛みの種類には急性痛、亜急性痛、慢性痛があります。
急性痛は、生態が侵襲されて命が危険だという状態を知らせるための危険信号です。交感神経や副腎髄質が優位に働いています。
亜急性痛は、発症から3ヶ月以内の痛みとされています。これが慢性痛に移行するかどうかは亜急性痛の時期に適切な対処ができるかどうかで決まってくると言われています。
慢性痛は、治療に要すると思われている時間(大体3ヶ月)を超えて持続する痛みです。慢性痛が起こるメカニズムには、侵害受容性の慢性痛(変形性膝関節症のような末梢神経に炎症を起こす原因が持続することで感覚神経を刺激する慢性痛)、神経障害性の慢性痛、器質的な損傷を伴わない慢性痛があるとされています。

痛みの伝導路としては、外側系と内側系があります。
外側系では、外側脊髄視床路において一次・二次体性感覚野を通して疼痛局在情報がもたらされます。
内側系では、前脊髄視床路、脊髄網様体路、脊髄中脳路を介して痛みの不快感がもたらされます。

人間は、痛みを感知したあと、それをやわらげる働きをもち、これを下降性疼痛抑制系と言います。慢性痛により、痛み刺激が繰り返し起こることでワインドアップ現象(痛みを強く感じてしまう現象)が起こります。下降性疼痛抑制には、ノルアドレナリン系とセロトニン系があり、これらは中脳中心灰白質から吻側延髄腹内側部、脊髄後角という流れによって痛みを抑制します。

以上のように、人間が感じる痛み、特に慢性痛には脳が大きく関わっているとされています。
「痛みは記憶」とよく言われるように、組織的な損傷はなくとも、脳の錯覚により痛みを感じるということがあるのです!

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