脂質ってどう代謝されるの?
今回は、前回に引き続き肝臓と代謝についてお話していきます!
前回は糖質とタンパク質の代謝について見ていきましたので、今回は脂質の代謝について見ていきたいと思います!
脂質は、十二指腸にて膵リパーゼによって分解されますが、この分解のためにはコレシストキニンの作用によって胆のうで濃縮された胆汁(胆汁酸)が脂肪を乳化させるという働きが大切になります。ちなみに、胆汁の99%は水分となっており、固形分の主な成分が胆汁酸となっています。
この脂質の分解において重要な乳化について詳しく見ていきます。先程登場した胆汁酸は、親水基(水になじむ)と疎水基(水になじまず、油になじむ)に分かれます。この2つの物質が脂質に取り込まれようとします。すると、油になじむ疎水基のみが取り込まれ、親水基は水に取り込まれるようになります。このような脂質の周りを親水基で取り囲むような形のものをミセルと言います。こうして外側が水溶性となり、脂質が水に分散しやすくなった状態のことを乳化と言います。
脂質では、トリグリセリドがモノグリセリドと脂肪酸に分解され、小腸の上皮細胞にて吸収されるという反応が起こります。こうして吸収された後に小腸内で再合成されて再度トリグリセリドができます。
ちなみに、前回お話したグルコースとアミノ酸は門脈を通って肝臓へと入っていきますが、脂質はリンパ管を通って全身に送られます。しかし、グリセリン単体や中鎖脂肪酸はグルコースやアミノ酸同様、門脈を通って肝臓へと送られます。
体内の資質の主な成分であるトリグリセリドやリン脂質、コレステロールは小腸の上皮細胞というところで吸収された後にリンパ管の中を流れますが、油であるため、リンパ液にはなじみにくくリンパ管の中を流れにくい状態となってしまっています。ここで大切になってくるのがアポタンパクです。
今回は長くなってしまうのでここまでにさせて頂きます。
次回のブログでは具体的にアポタンパクがどのような働きをするのか、そして肝臓との関係についてお話していきたいと思います!
お楽しみに!
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