高齢者とスロトレについて
前々回のブログより、高齢者のためのトレーニングについてお話してきました。
これまでのお話をざっとまとめると…
高齢者の方は転倒することで怪我をしてしまうケースが非常に多く、この転倒リスクを低減するためのトレーニングとして踏み台昇降がよく行われる、その際なるべく腿を高くあげると共に足首も上に向けることが重要、そしてそれが単純作業にならないように頭を使いながら行える工夫が必要である。また、年齢とももに椎間板が削れてしまうことからバーを担いでのスクワットは怪我のリスクを高めてしまう。
ということをお話してきました。
今回はさらに高齢者が行うトレーニングで気をつけるべきポイントについて深堀していきます!
高齢者のトレーニングとして「スロトレ」を行うケースもよく耳にします。これはゆっくりトレーニング動作を行うことでより筋肉に高い負荷を与えることを目的としています。確かに、筋肉にある程度の負荷を加えることは大切だと思いますが、ゆっくり動作することに対しては疑問が残ります。
例えば、高齢者の方がつまずいてしまった際、転んでしまわないようにいかに次の脚がはやく出てくるかということがとても重要です。このような筋肉が伸長した勢いを利用して収縮していくことを伸張反射と言います。
こうした伸張反射の動き・素早い動きをトレーニングしようと考えた時、スロトレではむしろその勢いを殺してしまうということも考えられるのです。
一概にスロトレの全てがダメと言う訳ではなく、筋肉にしっかり負荷を与えることも大切ですが、少なくとも筋肉の伸長位から短縮位にかけてのタイミング(例えばスクワットで言うとしゃがんだ所から立ち上がっていくタイミング)は素早く、伸張反射を用いる意識が大切かなと考えます。
以上のように考えると、やはりその方がトレーニングを行う目的を見失わないようにすることが大切です。マッチョになりたい・痩せたい人に対するトレーニングと介護予防を目的とした方に対するトレーニングとでは全く内容が異なります。
次回はスクワットで勘違いされがちなNGフォームを高齢者の特徴も踏まえお話していきたいと思います!
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