脊柱の解剖学
今回は、脊柱の解剖学についてのお話です!
脊柱は、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎によって構成され、頚椎は7個、胸椎は12個、腰椎は5個、仙椎も5個、尾椎は3〜5個の椎骨により構成されます。
それぞれの可動域は、以下の通りです。
頚椎・・・屈曲35°〜50°、伸展80°〜95°、回旋左右約90°、側屈左右約40°
胸椎・・・屈曲30°〜40°、伸展20°〜25°、回旋左右約30°、側屈左右約25°
腰椎・・・屈曲50°、伸展15°、回旋左右約5°、側屈左右約15°〜20°
このように、腰椎の回旋可動域はかなり小さく、野球のバッティングの際などによく言われる「腰を回す」という表現は、実際は胸椎で回旋していることになります。
脊柱は、脊髄(中枢神経)を保護するという働きに加え、支持性と可動性という両極端な働きを併せ持つ構造体です。
アライメントとしては、矢状面上にて、頚椎が前湾、胸椎が後湾、腰椎が前湾となっています。これらは人類の進化において二足歩行となっていく過程で生まれた湾曲であるとされています。
脊柱の運動や支持に携わる筋肉はとても複雑であり、主に脊柱後方筋群と脊柱前方筋群とに大別されます。脊柱後方筋群は、最外層に僧帽筋を有し、僧帽筋はさらに上行部、中間部、下行部に分けられます。
内側は、浅層、中間層、深層に分けられます。浅層には腸肋筋、棘筋、最長筋によって構成され、これらは脊柱起立筋と呼ばれます。中間層は半棘筋から構成されます。深層には多裂筋、横突間筋、回旋筋、肋骨挙筋によって構成されます。
脊柱とトレーニングに関して、よくベンチプレスで「アーチを作るように」と言われることがしばしばあります。確かに、胸椎を伸展させるということは、胸に効かせるためにも、肩への負担を減らすためにも重要なことです。しかし、それと同時に腰椎まで伸展させてしまうと腰椎のリスクが高まりますので、注意が必要です。
以上のように脊柱にはとても大切な働きがあり、トレーニングにも大きく関わってくる構造体です。
ぜひ今回の脊柱についての概要を頭に入れておいて頂ければと思います!
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