肝臓と脂質代謝の関係について
今回のブログでは、前回に引き続き脂質の代謝と肝臓についてのお話をしていきます!
前回、体内の脂質の主な成分であるトリグリセリドやリン脂質、コレステロールは小腸の上皮細胞で吸収された後、リンパ管の中を流れますが、油であるためリンパ液にはなじみにくく、そこで重要になってくるのがアポタンパクであるというお話をさせて頂きました。今回は、そのアポタンパクが具体的にどのような働きをしてくれるのかというところからお話していきます!
コレステロールやトリグリセリドの表面を親水のアポタンパクとリン脂質のリン酸で包んでくれます。この状態をリポタンパクと言います(この中でも特に大きいものをカイロミクロンと言います)。
こうしてリポタンパクの状態になることでリンパ管を流れやすい状態となるのです。このリポタンパクは、血管内にあるリポタンパクリパーゼによってグリセリンと脂肪酸に分解されます。
脂肪酸は、アルブミンと結合して遊離脂肪酸となり、エネルギー源として細胞に届けられます。
グリセリンは肝臓へと送られ、VLDL(リポタンパクの一種、カイロミクロンより小さい)となり、その後遊離脂肪酸として細胞に送られます。
こうしてエネルギー源が送られた後、コレステロールだけが残る形となります。コレステロールの濃度が上がったものをLDLコレステロールと言います。この余剰分は血管内壁に付き、動脈硬化の原因となります。
一方肝臓では、HDLコレステロールが生成されます。これは全身の余分なコレステロールを回収し、その後肝臓に戻ってきて成熟HDLとなります。
成熟HDLは、胆汁酸の原料になります。胆汁酸は前回お話したように、脂肪の分解に不可欠な乳化に必要となります。
以上のことを鑑みると、肝臓はタンパク質、糖質、脂質の代謝において非常に重要な働きをすることがわかります。
このとても大切な肝臓になるべく負担をかけないように、なるべくお酒の飲みすぎなどには気をつけていきたいですね!
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