スクワットで怪我しないために

以前より、膝疾患についてのお話をしております。

前回までは、腸脛靱帯炎、鵞足炎、変形性膝関節症、半月板損傷についてのお話をしました。
腸脛靱帯炎の場合、腿の外側にある大腿筋膜張筋や腸脛靱帯、外側広筋などが緊張していることが考えられます。
これらの筋群をリリースすることで少しは疼痛が改善することはあり得るでしょう。
鵞足炎の場合、鵞足に付着する縫工筋・薄筋・半腱様筋のいずれかの炎症が原因となり、それぞれの筋肉を伸長させて疼痛が出たものが原因であると考えられます。そして、その筋肉はリリースの対象となります。
しかし、これはあくまで対処療法でしかなく、大切なのはなぜその痛みが起こってしまっているのか、その根本にアプローチすることです。
変形性膝関節症の問題点としては、膝が伸び切らないということが挙げられ、その結果腸脛靱帯に対する負担が大きくなったり、床反力が膝に対して過剰にかかってしまうことが挙げられます。
半月板については膝の屈曲および伸展可動域を正常に保つ上でとても大切です。半月板損傷について、アプレーテストとマクマレーテストという評価法もご紹介しました。
また、膝の曲げ伸ばしに重要なスクリューホームムーブメントについてのお話もしました。
さらには膝疾患に大きく関わる下腿外旋についても述べました。

前回よりニーインについてのお話をスタートしております。今回もその続きです！

ニーインを悪化させる原因として重力が挙げられます。膝が外反していると重力つまり外部モーメントの力を受けてより外反しようとしてしまいます。

この外部モーメントを助長してしまう要因としては脊柱の湾曲が挙げられます。
また、大腿筋膜張筋や中臀筋など股関節を外転させる筋肉が伸長されてしまっていることも考えられます。同時に内転筋群などは逆に潰れてしまって上手く力を発揮できない状態にあることも考えられます。

以上のように、ニーインひとつとっても膝そのものに原因があるという訳ではないということをご理解頂けるかと思います。

なぜそれが起こっているのか根本を見つけることがとても重要なのです！