「完全栄養食」卵について

今回も前回に引き続き、卵の栄養についてお話していきたいと思います!

前回、卵とコレステロールの関係についてお話しましたが、まずは代謝経路という観点から卵によるコレステロールの問題を考えていきたいと思います。

人間の身体の中では、アセチルCOAがHMGーCOAに変わり、その後メバロン酸を経てコレステロールへと変わっていきます。この中で、人間にはネガティブフィードバックという働きがあり、コレステロールが必要量生成されていたらそれ以上作らなくて良いという司令がくだり、生成量を調整してくれます。そのため、外部からのコレステロール摂取量がある程度多くても体内での生成がストップされるということになります。こうしたことからも、過剰に卵を摂取しなければ卵によるコレステロールの心配はそこまでしなくていいのかなと考えられます。

だからと言ってどれだけ食べてもいいのかと言われるとそういう訳ではありません。

卵には大量のコリンが含まれます。このコリンの大量摂取により腸内細菌の働きでTMAOという毒性物質へ変わることが分かっています。TMAOにより心血管リスクや大腸ガンリスクが増大することが指摘されています。
こうしたことからも卵は1日3個くらいに抑えておくことが無難かなと思われます。

次に、卵の調理法における消化率の違いについてお話していきます。生卵では51%、加熱後では91%と消化率が大きく異なることが分かっています。これは、生の状態では卵白に含まれるたアビジンというタンパク質がビオチンとの結合性が高く分解できなかったのが、加熱により分解できるようになることが理由として挙げられます。
また、半熟だと1〜2時間、完熟だと3時間くらいで吸収されると言われています。
さらに、卵を40分くらい加熱し続けることで卵の中に含まれるビタミンなどが減少したり、心疾患リスクを高めるオキシステロールが生成されたりということが研究で明らかになっていることから、加熱しすぎるのも好ましくないと考えられます。

以上のように卵は栄養を豊富に含む完全栄養食です。しかし、当然食べ過ぎはよくありません。また、調理法によっても差が生じてきます。
今回の内容が少しでも参考になると幸いです!

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